日本国債格下げでソブリンリスクが高まっている

日本国債格下げでソブリンリスクが高まっている

日本はデフレ下であることに加え、国債をほぼ国内で消化できているためご府債務残高が名目国内総生産の2倍に迫る劣悪な財政状況にありながらも、金利は上昇しない。だが、急速に少予局齢化や企業の海外進出が進み、海外との経済取引状況を示す経常収支が赤字化すると大変だ。三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「既に本社機能を利用や、海外に移す動きも見られる。経常収支が赤字化する動きに拍車がかかっている」と話す。日本経済研究センターの試算では、早ければ2017年度に経常赤字になる見通しだ。

 

それ以前に、現時点で「ダブルAマイナス」レベルで格付けが揃っているムーディーズ、米スタンダード&ファース(S&P)、英フィッチ・レーティングスの大手格付け会社3社のいずれかが、さらにI段階下の「シングルA」格に引き下げた場合、海外投資家が日本国債を大量に売ってくる可能性は否定できない。

 

日本国債の保有は国内勢が大部分だが、海外勢の保有額は約40兆円にのぼる。短期債に限れば約17%を外国人投資家が持つ「格下げが続いた場合、海外勢は売ってくる」と警戒する。

 

他の格付け会社も、既に今年に入って見通しの引き下げを行っている。S&Pは4月に「安定的」から「ネガティブ」に、フィッチは5月に「安定的」から「弱含み」に引き下げた。さらなる格下げ事態を回避するには、市場が納得するような国内政治の安定と財政再建に取り組む堅い姿勢、覚悟を示す必要がある。

外国為替市場では、軟調な寄付きとなった欧州株式市場や米国株式先物が底堅く推移したことを受けてリスク回避の巻き戻しが優勢となり、ユーロなどの主要通貨やそのクロス円通貨がじり高基調で推移する序盤となった。途中、独IFO景気指数が予想以上に悪化する内容になったことを嫌気する動きが見られたものの、堅調な株価動向を背景としたリスク回避の巻き戻し姿勢が強く、これら通貨は上下しながらも底堅い値動きを続けた。